西日のダンス
音楽に合わせて虹が踊っている
その虹と手をつなごうとして、わたしは壁に向かって手を伸ばす
手に触れては離れ、
捕まえては逃れ、
それすらリズムになって、
西日の時間をあそんでいる
あ、
あの時もたしか
あなたのお家で、わたしはそうやってあそんでいた
ひとりぼっちで、でも寂しくなくて、
時々重たい毛布に隠れていたっけ
向こうの部屋まで歩いていくのが寒い
このままずっとここにいよう
いつかあなたが帰ってきたら
わたしの手を取って救い起こしてくれるはずだもん
いつまでも眠るわたしと
出番を見計らっているあなた
この時間を永遠のように冷蔵庫に留めて
目を閉じた