2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

決断のために必要だったこと。

演奏者全員耳のきこえない楽団があったらとてもすばらしいだろうな。 とその男は煙草をふかしながら言った。 音、とくに音楽っていうのは目に見えるエネルギーだから、 当たり前に男は言う。 よりきれいに音が見えるその楽団では高く美しい色の合奏がされる…

重なり合う夢。本当のこと。

私たちは夢をみています。 すっかりすっかり夢をみていて、他に世界があることなんて忘れてしまっている。 ここがあまりに素敵で現実的で、疑いようのない世界なもんだから、 私たちはある日なんの違和感もなく夢の中に住みつくことができる。 人々は夢から…

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彼はほのぐらいホテルのフロントに座って、旅行に行こうかと考えていた。 (外は雪だ。ホテルってのは、外から見るといつだって周りの倍は明るい。しかし中に入ってみると驚くほどほの暗い。) ぼんやりと、取ることのできない休暇について考えていると、こ…

「貧乏」に含まれる特有の切なさ。

アパートへの帰り道、寒い空気に触れること。 狭いベランダからのぞく、隣の家の庭。 冷房がきいていない部屋で、ふたりきりで過ごす夕方。 たくさんの人がそこに美しさを見出して歌詞として歌ってきた「貧しさ」。 「貧乏」「お金がない」という状況がなん…

ある港町のおとぎ話

その日オオカミが見つけたのは、大きな種だった。 獲物を探して歩き回っているとき、彼は何かにつまづいた。 雨が降っていた。 かみつこうとすると、それは声を発した。 声といえるだろうか。 何か音の波動のようなもの。 しかしオオカミは絶対に声だと思っ…

はじめまして!

ブログ「水瓶座博物館」へようこそ! パリ・言葉・アカシックリーディング 「自分の世界の主人公になる」「パワーを自分にとりもどす」というテーマで生きる。 最後には大きなお話になるような、物語のかけらを綴っています。 ばらばらで読むとわからないけ…

ふわふわしてつかめないもの

ふわふわしてつかめないもの きみの頭のなか とっても価値のあるもの だけどよく見えない 目をとじる だんだん形になる どうしてかっていえば とっても遠くにあるから ただそれだけ なにもむずかしくない きみが近づけばいいだけ こわいかもしれない やさし…