エレメントの詩 「風」
手紙を透明の液体に浸す
写真を現像するみたいに 幻想するみたいに
手のひらと指 スカートを伝わり
新しい文字がひるがえる
真鍮の 重たく錆びた 悪い妖精の歌声
わたしの友達なんだ
手紙は空を舞う
光と青が
透けている
手を伸ばしても
風に追いつくことができない
今度は
わたしの手 も 透けてしまった
手のひら 手紙 青 が
一直線に重なる
重なる 重なって
全身が吸い込まれる
吸って吐いた呼吸の色が
スパンコール
わたしの瞳は いま
何色なんだろう
わたしのリアルタイムの心のうごきが読めます