ヴァイオリンにのってやってきた謎すぎる物語
こんにちは!聡美です。
昨夜はヴァイオリンとピアノのコンサートに行ってきました。
クラシックを聴くと気持ちがいいですね。
苦手という人は、「寝てもいいや〜」っていう気持ちでいくと楽しめるかも。
カラダに気持ちがいいから、眠っちゃうことも全然いいと思う。
さて、音楽を聞きながらぼーっとしていたら、最近わたしが騒いでいる「空中の物語」がふわ〜っとやってきました。
すごくへんてこな話で、でもなんかじんわりと切なくて面白かったので、書き留めておきます。
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あるひとつのまちに、女が暮らしていました。
彼女はある朝目を覚まし、違和感を感じます。
口の中から大きな宝石がひとつ、ぽろりと出てきたのです。
それから毎朝ひとつずつ、彼女の口から宝石が出てくるようになりました。
色も、形も、大きさも、様々な宝石を毎朝彼女は吐き出します。
あるとき、その噂をききつけた村人たちが家に押し寄せ彼女をおいつめました。
中には彼女を殺して宝石を得ようとする者もいました。
女はパニックになりました。
すると、口の中から大量の宝石が、次から次へと溢れだします。
その姿を見て怖がり逃げる人、宝石を拾い集める人、ただ呆然とする人がいます。
女は森の中へ逃げ、小さな小屋で暮らし始めました。
夜になると、彼女からうまれた宝石たちはヒソヒソ声で話をします。
知っている言葉もあれば、聞いたことがない言葉もありました。
女は思いつき、いくつかの宝石をアクセサリーや装飾品にして売ったり人に託したりして、宝石たちが世界を旅できるようにしました。
そして、すべての宝石に彼女の元にもう一度戻ってくるよう指示をしました。
世界を旅し、距離を移動し、たくさんの体験をした石たちは順番に彼女の元に戻ってきました。
年老いた女は死んで、一番最初に出てきた宝石を胸に棺桶で一緒に眠ります。
人々は残りの宝石も地面にばらばらに埋めました。
それらの石は地面の中で、ヒソヒソ話を続けます。
あるとき、地面と空がひっくり返り、地面に埋まった宝石は星になりました。
そして月日をかけて地面と空は境目をなくし、やがて地球は消えました。
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このお話が、バッハの一曲を聴いている間にわたしの頭の中で語られました。
口の中から宝石が出てきたときは「へんてこだなあ!」と思いつつ、続きが気になるので静かに目を閉じたまま映像を追いました。
最後、地面と空がひっくり返って地上の宝石が空の星になったとき、「これは本当のことで、今わたしたちが見ている空は実はかつての地面なのかもしれないなあ」と不思議に納得しました。
そしてコンサート中思ったことは「物語はアートであり記憶、ヒーリングである」ということ。
お話をすること、聞くことは癒しなのだと、ふとわかった瞬間がありました。