なんとか流星群
何座流星群だったか覚えてないけれど、小さいときに流れ星の大群をみた。
早い時間、夕方に寝て、夜中に起こされた。妹とお揃いのシルバーの光るダウンをきて、眠い目をこすって外にでる。荷物を車につみこむパパ、料理を用意してお弁当箱に入れるママ。よく知らない大人たちもばたばたとなにか準備をしている。 いつもとはちがう夜に、私も妹もすっかり目をさまして、いまかいまかと出発をまつ。
車に乗り込むとまた眠気におそわれ、すぐに眠りにおちた。
川べりについて、大人たちがだしてくれた椅子に寝袋を敷いて私たちはぬくぬくと中にもぐりこむ。流れ星なんてみたことがないから胸がどきどきとして妹と夢中で話をした。
何個見られるか、願い事は言えるか、流れ星っていったいなんなのか。
星の爆発なんて考えもしなかった。ただ願いを叶えてくれるきれいな光が空を流れるんだと思った。
おでんの匂い。ひとつめの流れ星。
みた?
みた!
でも願い事はできなかった。こんなに短いのかと不安になった。ふたつ、みっつと数えていくうち、願い事のことは忘れて数えることに夢中になった。
したい願い事はあんまりなかった。今の時間がたのしくて、先のことは考えなかった。今になってもこんなにおぼえてるから、やっぱり願い事はできてたのかもしれない。 これを忘れないように、ずっとこんなふうにって思った。