頼りにしていた

 

つかまって立ち上がるみたいに、声が聴こえなくて

 

心が空っぽなので

 

ひどいことにはならないと思う

 

放り込んだ言葉は

 

一体誰の声で

 

語られたのだろう

 

変換された言葉は怖いから

 

もう話すことなんてやめてしまいたい

 

心臓だけを隣り合わせて

 

時も超えて重なったフィルムを

 

上からただみていたい

 

そこにインクを垂らす

 

 

震える指がせまってきている

 

ついに耳鳴りがして

 

再起動が近いみたいだ

 

その前に その前に

 

無くしたくなんかない この 小さい大事を

 

綺麗に磨いて待っているんだ

 

涙を流すのはずるいから

 

代わりに

 

代わりに

 

苦しみごと広がる胸の空洞に

 

声を放り込む

 

空気が揺れて

 

温度が

 

いつもの温度が

 

わたしを溶かしている