わたしは毎日本を何冊か読んでいますが、ひさーしぶりに、本を読んで深く感動したのでシェアします。
この本は男女が出会って恋人になるところからお別れまでが描かれているんだけど、構成がなんともユニークなの!!
作者のふたりは歌人だから、作品中には短歌と詩、散文が使われています。
演劇をみているような、長い詩を聴いているようなこの感覚に夢中になってしまい、一気に3回読み返しました。
心がじわっとしてカラフルに映像がうかぶのが短歌のすごいところで、わたしが日本語が話せる人でよかったと思った。
短い一文なのに、それを全部感じるためには日本語のリズムもひらがなの使い方も擬音語も文化も理解できなくてはいけません。
深い!!!
気に入った短歌はいくつかあるのだけど、本全体でひとつの芸術だからぜひ読んでみてもらいたいです。
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「ゆびさきの温みを添えて渡す鍵そのぎざぎざのひとつひとつに」
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「隕石で手をあたためていましたがこぼれてしまうこれはなんなの」
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素敵だと思いませんか。
今書いているだけで、なんだか泣けるのです。
寒い冬に誰かと手を繋いで近所に買い物にいくときみたいな気持ちになって、心臓が動くのです。
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人間が悲しくもないのに泣きたくなるのは
たぶん心が揺れているから。
物理的に、心臓の周りの5mmくらいの範囲をぶるぶるっと
がたがたと、たまに、きゅーっと
その動きはなんらかの理由で目や頭や喉へ信号を送る。
魂がうごく、とも言う。
それが泣きたい気持ちになって「はあ」とため息をつく。
だから
悲しいときだけじゃなくて、美しいものを見たときも、泣きたい気持ちになるのです。
この感覚は気持ちがよくて、生きている感じがして、人間でよかったという気分にさせてくれるから、きっと魂の音。
あとがきも素敵♡