町田康の「パンク侍、切られて候」という小説が映画化されるそうで、今からとてもわくわく楽しみにしています。
ただ問題は、こんなマニアックな作品を一緒に観に行ってくれそうな友達がいないということ笑
ひとりで行こうかな〜
パンクロッカーの町田康の小説やエッセイはとにかく切れ味がすごくて、何を言っているのかわからないのだけどなぜか気持ちがよくてすっきりします。
映画化では言葉のちからが弱まるのでは?と少し心配していますが、クドカンが手がけているそうなので映画は映画でとてもたのしいものになるのではないかと思っています。
この小説を初めて読んだとき、脳みそを頭から出してざぶんと冷たい水につけてからまた頭に戻したような感覚がありました。(わかんないよね)
時代小説のはずなのに現代の言葉や作品が出てきたり、なんか不真面目で面倒くさそうで、自分の損得で動く登場人物たちの様子がすごくおかしかったの。
この本に出会ったのはずいぶん前だけど、わたしはそのときめちゃくちゃなものを見ることで、すごくほっとしていたような気がします。
やさしい言葉も美しい話も大好きだけれど、心の底からほっとさせてくれるものというのは実は無責任で他人のことなんて全然考えていない文章かもしれない。
世界がひっくり返ると、自分が今まで問題だと思っていたことが問題でなくなる世界に行かれる。
やっぱり問題を解決していくというちまちましたエネルギーよりも、それ自体をそもそも問題でなくしてしまうくらい、問題からパワーを奪ってしまうくらいの突飛なことや枠をはずすことって頭も体もとても気持ちがよいです。
そもそも意味を考えることが無理なほどの小説なので、ただただ文章を追って、笑って、「あ〜最後までわかんなかった!」ってゴロンと本を投げ出すことがたのしいよ。
犬が筆をとって文章を書いているスピンクシリーズも超おすすめ!
心の底から微笑ましくて、ハートがじわ〜っと広がっていきますよ。
とにかく町田康の小説は、爆笑することができます。本なのに。
こういうかっこいい小説にどんどん出会いたくて、自分自身でも書いてみたくて、ザワザワしています。
わたしは本を読むことが音楽のライブに行くことみたいにかっこいいことになればいいな〜と思っています。
そういう作品を作っている小説家は何人かいるんだけど、特に好きなのは村上春樹・いしいしんじ・町田康・トールキン・森茉莉・カズオイシグロあたりかな。
他にもたくさんいるはずだけど、すぐに思いつかないので。
本を読むって地味な行動なんだけど、その間頭の中で起こっていること、広がる世界、出ているエネルギーというのはすごく特別でパワーがあります。
それを見えたり感じたりできるような機械も将来できるかもね。
それこそ発電できるレベルの回転が頭と体で起こっているので、読書好きの人というのはその感覚の中毒になっているのかもしれないね。